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拓殖の先達に訊くvol.02


拓殖の先達に訊く_vol02商学研究科_メインビジュアル

いつか大学院へ
社会を経験し、その思いを実現

拓殖大学卒業時には、工学部で学んだ電気の分野で一般企業に就職し、2018年には自分の専門分野を活かしパワーエレクトロニクスの事業を立ち上げました。会社経営をしながら大学院への進学を決めたのは、業務上でさらに深い専門知識が必要になったからです。仕事が忙しくてなかなか会社を離れられない時でも「大学院にはいつか進学したい」と考えていましたので、この機会に進学を決めました。大学卒業後に就職した企業で大学院博士課程を修了した方と出会い、その専門性の高い知識に憧れたことも大きく影響しています。

日本では、実際に社会に出た後に大学院に進学する人は決して多くはないと思います。そんな中、学部を卒業して12年が経って、自分で大学院に進学するチャンスを掴めたことは大変誇らしかったですし、たとえ仕事をしていてもまだまだ知らない電気のいろいろな側面や可能性を探求できることが、本当に楽しみでした。

脱炭素社会へ向け
リチウムイオン電池を研究

大学院に入学してから、業務にも必要となるリチウムイオン電池の特性解析とその制御について研究しています。

現在、パワーエレクトロニクスの分野において2つの大きな変革が起きています。一つは電気自動車で、もう一つは変動性再生可能エネルギーです。電気自動車は、基本的にはコントローラー、モーター、バッテリーで構成されていますが、中でもバッテリーは重要な役割を果たします。再生可能エネルギーに関しても、太陽光や風力は発電量が季節や天候に大きく左右されるため、バッテリーで安定化させることが不可欠です。どちらにしても、これからの脱炭素化社会に向けた取り組みにはバッテリーが重要なキーデバイスとなってくるわけですが、そこで大きく貢献できるのがリチウムイオン電池であると考え、研究を進めているところです。

研究イメージ

研究イメージ

大学院は
自分の可能性を広げる場所

学部でも電子システムを学びましたが、学部では基礎的な知識の習得を目的としており、私自身も単位を取得するための受動的な学びが多かったように思います。学んだ知識をどういった仕事でどう使うのかも、明確に認識はしていませんでした。一方、大学院は「知の探究」を目的とした能動的な学びであり、研究テーマの設定、実験計画、機材・機器の準備なども全てを自主的に進めていくところが学部と大きく違います。単純に学びの場というよりも、得た知識をいかに社会や未来に活かしていくのかも含めた「思考のトレーニングの場」であり、「自分の可能性を広げるための場」であると感じています。

大学院に進学するメリットは、2つあります。

メリット1

メリット2


私の場合は、好きな学問に積極的に取り組むことが、業務にも直接結びついています。それは、学びを進めていく上で、とても幸せなことだと思っています。

学術的な専門知識だけでなく
応用に必要な学び直しもおもしろい

大学院で学ぶ上で大きな刺激となるのは、専門家である先生方との一対一のディスカッションです。私は業務上でもパワーエレクトロニクスの研究をしていますが、それはあくまでも製品を作るための応用研究であり、大学院での学術研究とはまた違います。先生方とのディスカッションを通して、物事をあらゆる方面から捉える考え方に触れ、専門知識を深め、それが新たな発見につながっていくことが非常に面白く、私の好奇心・探求心を刺激しています。

また、研究を進めていく過程で、何となく覚えていた数学や物理の方程式を正しく理解できる瞬間があります。たとえば、学部の頃に習った数学のテイラー展開。当時はどんな時に使うのかわかりませんでしたが、研究を通して、公式の意味や使い方をきちんと理解することができました。学部の頃から12年越しに理解できた瞬間は気持ちも昂りましたし、うれしかったです。

研究を製品に応用し
脱炭素化社会に貢献する

工学研究科 機械・電子システム工学専攻博士後期課程 陳 禹澎

現代は不確実性の時代と言われていますが、パワーエレクトロニクスの分野においても同じです。その不確実性の中で事業や経営の判断を行っていくことがますます困難になってきており、決断する一つの材料として、より専門的な知識が必要になってきました。一度大学を離れてからの学び直しになりましたが、実際に業務に携わっているからこそ学ぶ目標が明らかであり、効率的に研究を進めることができています。これは、社会で仕事をしてから再び大学院に進学する際の大きな利点であると言えます。

今後は、大学院での研究を自分自身の会社の技術に応用し、パワーエレクトロニクス技術やリチウムイオン電池の製品開発を通して、災害時の電力問題や深刻化する環境課題の解決に少しでも貢献し、安定したゆとりのある暮らしや持続可能社会の実現に役立てたいと考えています。



研究を通した活動や挑戦が
自己成長につながる。

工学研究科 機械・電子システム工学専攻 博士前期課程 梶山晏大さん

工学研究科 機械・電子システム工学専攻 博士前期課程
梶山晏大さん

大学院への進学を考えた際、自分が学んだ学部の環境で継続して学びたいと思い、本大学院への進学を決めました。現在は、精密なトンボの翅の3Dモデルを用いた、流体シミュレーションと構造シミュレーションに焦点を当てて研究し、それが生物学や工学の分野にどのように貢献できるかを追求しています。この研究が進めば、小型ドローンや航空機の飛翔制御技術の向上に貢献できると期待されています。

学部では基礎知識を広く学び、大学院ではその基盤を活かしつつ特定の専門分野に深く入り込んだ研究活動を行っています。研究を通じて問題解決に取り組むこと、新しい発見に挑戦することが、学問の最先端での貢献や、さらには自己成⻑につながっていくと実感しています。大学院での学びや研究を通じて、これからさらに自分の強みや興味を見つけ、仕事につなげていきたいと考えています。

研究を存分に取り組み
福祉工学で社会に貢献したい。

工学研究科 情報・デザイン工学専攻 博士前期課程 成田瑠七さん

工学研究科 情報・デザイン工学専攻 博士前期課程
成田瑠七さん

研究したい福祉工学分野のテーマを取り扱っている研究室があったため、大学院への進学を決めました。今は、手すりの使いやすさを定量的評価に取り組む研究をおこなっています。この研究が進めば、高齢者や体が不自由な方だけでなく、手すりを利用する全ての方々の助けになると考えています。
学部と大学院の大きな違いは、自身の惹かれた研究を思う存分に追究できることと、学会などによる対外的な発表が増えたことです。院生として、学部生と研究の進め方や方向性についてディスカッションする機会も増え、自分自身の成長にも大きく役立っていると感じています。

将来は、福祉工学系の研究職に就きたいと考えています。特に、階段やトイレなど公共施設や住宅で用いられる手すり等設備の研究開発職に就き、目に見える形で人々の行動に快適さを提供したいです。さらに、大学院で学習したアフォーダンスの理論やウェルフェアデザインを駆使して“使いたくなる”もしくは“フレキシブル”な製品の研究開発に携わり、行動に制限をかけない社会の実現に貢献することを目指しています。

先端技術に常に携われる
研究開発職を目指して。

工学研究科 機械・電子システム工学専攻 電子システム工学コース 渡辺大夢さん

工学研究科 機械・電子システム工学専攻 電子システム工学コース
渡辺大夢さん

私は将来的に研究開発職を目指しているため、学部1年の時から大学院進学を意識していました。本大学院を選んだのは、入学金免除などのメリットがある学内推薦が受けられたからと、今まで学んできた中で興味を持った専門分野の研究室があったからです。

大学院では、脳波を用いてコンピュータの操作をすることを目的とした、BCI (ブレイン・コンピュータ・インタフェース)システム開発の研究を行っています。この研究が実用化されれば、手を使わずに直感的なコンピュータ操作が可能になると考えられます。

大学院での研究は、より深い専門性はもちろん、自分の研究のオリジナル性が求められる点や、研究に客観的な評価が求められる点において学部と大きく違っています。また、留学生が多くて国際色が豊かであることも本大学院の特徴であり、多様な考え方に刺激を受けています。レベルの高い学会での発表や新規の研究に挑戦させていただけたことも貴重な経験であり、学会ではIEEE TOWERS Sendai Section Supporter's Student Branch Awardを受賞できました。

修了後の進路は、希望していた大手電気通信機器メーカーに内定をいただいているので、研究開発職として、新技術の創出や社会への技術実装に貢献したいと考えています。

研究を中心とした数々の体験で
自分の世界を大きく広げる。

工学研究科 情報・デザイン工学専攻 情報工学コース千野愛実花さん

工学研究科 情報・デザイン工学専攻 情報工学コース
千野愛実花さん

私は、非タスク指向型対話システムにおける質問生成の研究に学部3年生から取り組んでおり、より専門的な知識・技術を身に付けて研究を深めたいと思い進学しました。

この研究は、対話システムを使用する際にシステム側が質問することで、ユーザーが打ち解けて話しやすくなるように促し、より自然な対話の継続を目指しています。さらにその先には、人と人との円滑なコミュニケーションにつなげることができると考えています。

学部時代と比べて大きく変わったのは、研究成果を発表する機会や、学会やオンラインでの輪講会に参加する機会が増えたことです。他大学の大学院生や教員との研究交流、企業の研究者と接する機会が増え、自分の研究の刺激になっています。修士一年の夏にデンマークに行って国際会議で発表をしたり、世界的に有名な国際会議に論文を投稿する研究分野においてなど、大学院に進学しなければチャレンジできないようなことも経験できました。

今後も対話システムについてより専門的に研究するため、博士後期課程への進学を考えています。
2024年3月時点