グローバルナビゲーションへ

本文へ

フッターへ



サイトマップ

トップページ >  先達に訊く >  拓殖の先達に訊くvol.01

拓殖の先達に訊くvol.01


拓殖の先達に訊く_vol01_メインビジュアル

税理士という次のステップに進むために
会社を辞めて大学院へ

私は、経験や学びで獲得したスキルセットが、よりよい人生を送る上で大きな役割を果たすと考えています。これまで、大学では建築学を学び、IT業界への就職と転職、語学留学と、様々な経験でスキルを身に付けてきましたが、さらに自分の幅を広げるために必要だと感じたのが税務スキルです。会計士の妻と、税理士事務所を経営する義父の後押しもあり、税理士を目指すことにしましたが、資格試験は非常に難しく、初めて税務を学ぶ私が合格するのは大変困難なことだと思いました。それでも、できるだけ早く、確実に税理士になることを目標にしているので、税法の専門科目がある本大学院への進学を決断しました。学部を卒業して時間がたってからの進学でしたが、新たな分野への学びが楽しみでした。今は、その決断が正しかったと実感しています。

大学院での講義や論文執筆、税理士試験の勉強に取り組みながら会社勤めをするのは難しく、会社を退職して勉強に専念しています。

専門分野はもちろん
専門以外の講義からも得るものは大きい

私の論文のテーマは所得税です。特に、副業にかかる所得の区分判別基準について研究しています。そのテーマを選んだ理由は、所得区分についてすでに多くの研究者によって論文が書かれており、先行研究の情報が揃っていたからです。社会的に副業に関心が集まっており、個人的にも副業にかかる税制に興味があったのも大きな理由です。所得税は私たちの一番身近な税金であり、実際に税理士になった時にもお客様が大きく関わってくる税区分なので、ぜひ学んでおきたいと思いました。

大学院に進学して思いがけず良かったのは、税金の勉強だけでなく、単位を取得するにあたって経済学や経営学の講義を受けたことです。企業で働くうちに経営というものを意識するようになっていたこともあり、非常に興味深いものでした。私にとっては初めての学びでしたが、社会人としての実体験があるので、著名な経営者の話の中にも新たな気づきがありましたし、さらに自分で学ぶ意欲にもつながりました。

商学研究科 商学専攻博士前期課程2年 松本元気さん

大学院での専門的な学びで
税理士への道をより確かなものに

私が税理士になるために本大学院を選んだ理由は二つあります。

一つは、大学院で学んで特定の専修科目を修得し、修士の学位を修めることで税理士国家試験の科目免除を一部受けられる制度がありますが、本大学院にその実績があったからです。税理士試験の難易度は非常に高く、内容も膨大なものです。その中の税法2科目が2年で確実に免除を受けられるメリットは、実に大きいと言えます。

もう一つは、大学院の専門性の高さと指導していただける先生の多さです。今日、リカレント教育が話題ですが、これは人生100年時代を生き抜くために、自分自身をアップデートしていくということです。その点において、大学院は社会人となってからの学習環境として最適解だと考えています。新しく得るスキルは、その専門性が高ければ高いほど自分の価値を高めてくれるので、学ぶなら大学院が理にかなっていると思いました。

また、一度社会に出てから大学院に進学することにも、大きなメリット・新たな発見があると実感しています。社会人として得た知識や経験、思考スキルがあるので、講義内容や学んだ情報もより深く理解できますし、講義の課題や論文発表にもスキルをいかんなく発揮できていると思います。

一方で、論文の体裁や言葉使い、読み手を意識した言い回しに関しては、先生からご指導をいただいています。プレゼンテーションは言葉で補えますが論文はそうはいかず、能動的に論文を読んでもらい、さらに正しく理解してもらうための表現の仕方を学んでいます。

商学研究科 商学専攻博士前期課程2年 松本元気さん

研究者の視点で深く学んだことを
実務にも活かしていきたい

大学院の学びでのもう一つの大きな特徴は、所得税を実務だけでなく通説や判例の考察を含めて学ぶことができた点です。税法を研究者の視点で深く掘り下げて学ぶことで、実際にお客様と接した場合にも、判例や実例を交えながらより説得力のある説明ができます。税理士になれば必然的に実務能力はついてきますが、法律の解釈はここでしか学ぶことができないので、自分自身の知識の幅を広げるためにも良かったと感じています。

これまでの社会経験を活かし
幅広くお役に立てる税理士に

AIの進化に伴って多くの職業が変化すると言われる中、税理士の仕事はAIによる代替が難しい側面が多く、これからの時代も社会的に求められる職業だと考えています。一人ひとり、または各企業に合わせて複雑な対応が求められる場合も多く、その点では、複数の企業で働いてきた私自身の豊富な社会経験が役に立つ仕事だとも言えます。

また、現在の税理士業界は全体的に年齢層が高く、ITに強い税理士も多くありません。しかしながら、税制改正のほとんどがITに関連しているため、税理士としての知識や経験に加え、IT技術者としてアドバイスが行えることも新たな強みになると感じています。

修了後はできるだけ早く税理士になり、仕事に従事していくことを目指しています。これまでの業務経験や大学院での経験を活かし、より多くの案件、より大手の案件に取り組み、お客様の多様なニーズにお応えしたいと考えています。


 profile

商学研究科 在学生 松本元気さん

【2005年】
東洋大学工学部建築学科入学(建築スキルの習得)
就職活動時、建築業界ではなくIT業界に就職希望。
【2009年】
IT企業に入社(ITスキルの習得)
IT未経験者への教育が充実していたことから入社を希望。
【2014年】
退職し、ロサンゼルスへ約1年の語学留学(英語スキルの習得)
自分のスキルセットを充実させたいと留学。帰国後のTOEICでは、845点を獲得。
【2015年】
クラウドサービスに特化したIT企業に転職(ITスキル/マネジメントスキルの習得)
外資系の会社にシステムを導入するプロジェクトリーダーを経験。
【2017年】
外資系製薬会社に転職 (ITスキル/ビジネススキルの習得)
社内ITの分野を担い、5年間勤務。次第に、自らの責任と裁量で決断できる働き方が、自分には向いているのではないかと感じるようになる。
【2022年】
拓殖大学大学院 商学研究科入学(税務スキルの習得)
育休中に税理士の義父の業務に触れたことから興味を持ち、税理士を目指すようになる。大学院で税法を学ぶことを決意し、入学。
2024年3月時点