グローバルナビゲーションへ

本文へ

フッターへ



サイトマップ

トップページ >  News >  工学研究科 飛行中のトンボの翅の変形とセンシングに関する論文が学術誌PNASに掲載されました

工学研究科 飛行中のトンボの翅の変形とセンシングに関する論文が学術誌PNASに掲載されました


工学部機械システム工学科/工学研究科機械・電子システム工学専攻の前田 将輝 准教授および同専攻 生物流体力学研究室(前田研究室)所属の博士前期課程大学院生(当時。2024年度修了)の梶山 晏大さんが共著となった、飛行中のトンボの翅の変形とそのセンシングに関する論文が、世界的な学術雑誌である Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS) に採択され、2025年11月に即時オープンアクセス (OA) として出版・公開されました。本研究は英国の Royal Veterinary College, Imperial College London, Leeds University および米国 HHMI Janelia Research Campus に所属する研究者との国際共同研究です。梶山さんは前田准教授と共に英語でのオンラインミーティングを重ね、トンボの翅という複雑形状に対する流体構造連成 (fluid-structure interaction, FSI) という難易度の高いシミュレーションを実現しました。

論文 Fig. 1 より。パネルA–E に高速度撮影したトンボの離陸飛行時における胴体および翅4枚の羽ばたき運動の時系列データを示す。翼端の上下動は左右で概ね対称だが(パネルC)、前翅の曲げ (D) とねじり (E) は羽ばたき2-3周期目にかけて左右(紫と水色)で非対称となり、これが胴体の回転 (B) を引き起こしている。The image was taken from the article (https://doi.org/10.1073/pnas.2518032122), copyrighted by the authors, distributed under CC BY 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).


論文 Fig. 2 より。実験的に取得されたトンボの翅の変形(パネルDi, Dii)が、CADモデル (C) を用いて計算した振動モード結果 (E) や流体構造連成シミュレーション結果 (Diii) と類似していることを示す。The image was taken from the article (https://doi.org/10.1073/pnas.2518032122), copyrighted by the authors, distributed under CC BY 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).



論文 Fig. 4 より。従来研究では、フラットな人工の翅でひずみ(変形)センサの位置を最適化すると翼端付近への配置が望ましいとされていたが、凹凸のあるトンボの翅におけるひずみセンサは翅の付け根付近に多い(パネルHの赤丸)。パネルG に示された数値シミュレーション結果においても、ひずみ(変形)は翅の付け根付近で大きく、電気生理学的計測から推測された情報の集中位置 (D–F) とも近い。The image was taken from the article (https://doi.org/10.1073/pnas.2518032122), copyrighted by the authors, distributed under CC BY 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).


Movie S1 より。流体構造連成シミュレーションの結果で、向かって左の翅の付け根を固定している。表面の色は変位、翅を覆う白い雲のようなものは渦構造(Q値の等値面)を示す。The image was taken from the article (https://doi.org/10.1073/pnas.2518032122), copyrighted by the authors, distributed under CC BY 4.0 (https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/).


- 論文題目 (title): Structural dynamics and neural representation of wing deformation
- 著者名 (authors): Alexandra M. Yarger, Masateru Maeda, Igor Siwanowicz, Haruhiro Kajiyama, Simon M. Walker, Richard J. Bomphrey, and Huai-Ti Lin
- 学術雑誌名 (journal): Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America (PNAS)
- 巻 (volume), 号 (number): volume 122, no. 46
- ページ (page): e2518032122
- 出版年月日 (publication date): 2025-11-13
- DOI (digital object identifier): 10.1073/pnas.2518032122

工学部機械システム工学科/工学研究科機械・電子システム専攻 生物流体力学研究室(前田研究室)では、昆虫・鳥といった動物の飛翔や植物まわりの流れに関する流体力学について研究しています。

### リンク先URL
論文
https://doi.org/10.1073/pnas.2518032122

PNAS の volume 122, number 46 表紙(トンボの翅の写真および本研究論文が取り上げられた)
https://www.pnas.org/toc/pnas/122/46

Royal Veterinary College によるプレスリース
https://www.rvc.ac.uk/research/research-centres-and-facilities/structure-and-motion/news/new-rvc-study-reveals-how-dragonfly-wings-can-inform-engineering-and-robotics

生物流体力学研究室(前田研究室)
https://sites.google.com/view/mazlab/home