大学院生 Interview

点字ブロック利用者の安全のために
画像工学を社会課題の解決につなげていく

大学院進学と拓殖大学大学院を選択した理由はなんですか?

学部では色検出や画像内のオブジェクトから直線、円などの検出を行う画像工学を専攻していました。そこでは「麻雀牌の種類を判別するための牌認識」の研究を行い、麻雀牌の絵柄を認識する手法を提案。画像工学を活用した牌の絵柄の検出から、麻雀の役の並びが覚えられないか? と思ったのがきっかけでした。
残念ながら学部では、牌の図柄の並びから役を検出するという機能の実装には至らず、研究が目標に到達できずに終わるのは口惜しいと感じました。そこで、さらに研究を続けていきたいと考えたのが大学院に進学した主な理由です。

どんな研究を自身のテーマに取り上げていますか?

実は現在取り組んでいる研究は、「点字ブロック利用者のための歩行障害検知システムの開発」で、麻雀牌の絵柄認識に関する研究からは変わっています。先生からのアドバイスもあり、画像工学を社会課題の解決につなげていけるようなテーマで研究を深めていくことのやりがいに気づいたからです。学部時代よりも視野が広がり、社会貢献の視点で画像工学が様々な技術に転用できることを知ることができたのは、本学の大学院に入ったからこそだと思います。

今後、自身の研究をどのように活かしたいですか?

現在は街なかの道路の点字を写真に撮り、画像を機械学習によって把握していくことを重ねながら、点字ブロック利用者が安心して歩行できるような障害検知システムの構築に取り組んでいます。世の中には目の不自由な方や認知症の方など、生活に不自由を感じてしまう方々が少なくありません。今後は人の暮らしや活動を助け、サポートしていく技術が重要視されていくと思います。そうした領域に自ら学んだ画像工学の技術を活かし、社会問題を解決できるアプリの開発に携わるような職種に就いていきたいと考えています。

どんな人に大学院進学を勧めたいですか?

本学大学院での学びは、自らの研究テーマが明確で、直面する課題や問題をどうすれば解決できるかを進んで考えていける人に向いていると思います。直面する研究課題について高いモチベーションがあれば、それに応えてくれるバックアップの態勢があると感じるからです。私自身、点字ブロックを撮影していくためのカメラや、研究に必要なタブレットも大学院が用意してもらえるなど、学生個の研究意欲を後押ししてくれる環境があると感じてきました。
具体的な相談や質問をすればするほど丁寧なアドバイスや選択肢を与えてくれる先生方のもと、これからも社会に役立つ研究を深めていきたいと思います。