大学院生 Interview
世界貿易の要諦は海上運送にあり
港湾物流の研究で日中両国の経済に貢献する
大学院進学と拓殖大学大学院を選択した理由はなんですか?
大学では物流プログラムを専攻し、主に物流管理と物流サービス、サプライチェーンについて学んできました。知識を網羅的に習得する大学の授業から、さらに研究テーマを絞り、集中的に思考を深めつつ高い専門性を身に付けたいと考えて大学院に進学しました。その中で拓殖大学大学院に決めたのは、中国の中学生向け教科書の中で魯迅が書いた『藤野先生』を読んで、真面目で優しい日本の先生に感動したこと、さらに拓殖大学の理念である「人種の色と地の境 我が立つ前に差別なし」の言葉に共感したからです。
どんな研究を自身のテーマに取り上げていますか?
現在は「港湾物流の背後圏の経済発展に対する役割の研究」として、港湾物流についての知見を深めています。いま世界貿易の9割は海上運送によってなされており、世界のグローバル化と国際運送市場の一体化の中で、港湾物流が果たす役割はいっそう重要なものになりつつあります。加えて港湾物流はその背後に存在する経済圏の経済発展においても重要な役目を担っており、この点が現在の研究の中心的なテーマとなっています。
経済学研究科について、良いと思うことを教えてください。
ゼミでは、物流および経済発展を考えるための多様な視点を学んでいますが、「知識の体系的な整理」「わかりやすいプレゼンテーション」といった点にも重点を置いています。私の指導教員である松井謙一郎先生はメガバンクの元バンカーで、経済学をベースにしつつ、学際的なアプローチから経済のダイナミズムを適切にとらえ、世の中のリアルな動きを交えた解説を加えた授業をしてくれるのでとても興味深いです。様々な世界の動きに照らし合わせながら、国際物流や国際経済についてのポイントを深く教えてもらえるのは同先生ならではの教えだと思います。また、修士論文の執筆に向けて論文の骨格や、分析すべき課題や参考文献などを一緒に考えてくださるなど、学生に寄り添った指導が印象的です。論文の完成には日々の地道な積み重ねが必要ですが、モチベーション高く取り組めているのも先生の後押しのおかげ。自分の考えや分析が深まり、論文の形が具体的に見えてくることが今からとても楽しみです。
修了後の進路は?
修士課程を終了した後は、中国の日系企業に就職することを考えています。日本と中国双方の事情に合ったロジスティクスを創ることを通じて、両国の海上物流を促し、相互の経済発展に貢献していきたいです。