研究科委員長 Interview

工学研究科
高橋 丈博 教授

Q.
工学研究科の特色について教えてください。

A.
少人数で研究に
集中できる環境です。

工学研究科の博士前期課程に在籍する学生は、拓殖大学工学部の研究室から継続してひとつの研究テーマを追究している人が多いですね。また留学生が約半数を占めており、その割合は学部より飛躍的に高くなっています。
留学生は日本の大学院で修士号、できれば博士号を取得してキャリアを高めたいという意欲が高い人たちが多いですし、日本人学生もまた工学の専門性を高めることで理想の就職を実現したいという思いがあるのだと思います。
実際のところ工学研究科からの就職は非常に好調で、卒業生たちはそれぞれが取り組んだ研究テーマに合った仕事に就いているケースが多いですね。留学生も日本の産業界で活躍しながら母国との橋渡しをするような仕事に就いたり、あるいは母国に戻ってから起業するといった人もいます。
そして、こうした成果を支えているのが、工学研究科の少人数の指導体制です。
そもそも拓殖大学の工学部が決して大きな学部ではないため、学部でも大学院でも、研究室が少人数で構成され、教員と学生、学生同士、学生と大学院生の距離が近いという大きな特色があります。
そうした条件がうまく機能して、各自が自分のやりたい研究に集中して取り組み、教員からも細かく指導を受けられる、また大学院生同士で刺激を受けあって切磋琢磨していけるという環境があると思います。

Q.
高橋先生の研究内容について教えてください。

A.
電子機器の設計支援を
研究しています。

私の研究テーマは、コンピュータなどで使われている電子基板などで生じるノイズを低減させるための回路設計支援技術です。工学研究科に4つある分野の「情報工学分野」になります。
大きく分けると、実際に回路を作動させて電磁的な現象を測定する実験と、AIやコンピュータを使って障害が起きない回路の設計をシミュレーションする作業があります。
たとえば私の研究室でこうした分野の研究をしたいという場合、博士前期課程では研究室が追究しているテーマについて教員や他の学生と協働しながら実験や測定、シミュレーションを行い、その問題解決方法を探るといった研究と論文作成が中心になります。
そして博士後期課程に進むと、自分で独自の新しいテーマを見つけ、3年間をかけて結果を出して論文をまとめるということになります。

Q.
これからの工学研究科のイメージを
お話しください。

A.
大学院で学ぶ人の多様なニーズに
応える研究科をめざします。

これからの工学研究科でも、拓殖大学をはじめとする学部からの進学者を多く受け入れていきたいと考えています。
いま工学の世界は高度に専門化された領域がからみあいながら飛躍的な発展を続けています。そうした中にあって、学部からひとつのテーマを続けて研究していくことでスペシャリストとして成長し、しっかりと成果を出して社会に出ていくことができるようになります。
また一方、小学校や中学、高校の教員をしている人で修士や博士の学位を取得したいという人や、企業でエンジニアとして活躍しながら大学の研究環境でテーマを追究したいという人にも門戸を広げていきます。従来から行っている企業との共同研究もさらに活発化していきます。
少人数のアットホームな雰囲気の中で日本人と外国人、学校の先生や社会人といった多様なバックボーンを持つ人たちが工学の夢を追いかける、そんな研究科として成長を続けていきたいと考えています。